今日のブログも堀がお伝えします。
愛知県刈谷市の総合文化センターにて、クロースラインの展示が行われています。
クロースラインとは
これは、セクハラや性暴力といった経験や、日常に潜む格差・差別など、普段表に出されにくい「声なき声」を拾い上げていく、参加型のアート作品です。
自分の性差別の経験を、小さなカードに記入します。もちろん匿名です。それを展示するというもの。
私は昨日、この展示の準備に行きました。私たちのメンバーの一人である、なるかわがこの主催メンバーなのです。
小さなこのピンクのカードを(実際にはもっといろいろな色がある)壁に貼り付けていく作業をしていたのですが、カードに書かれた内容は、性差別を受けた本人の生の声。読んでいくと、心がギュッとなるものもたくさんありました。
なんで性差別があるんだろう?
私は女ですし、私たちのグループはみんな女です。
私は女であることを嫌だと思ったことはないし、むしろレディースデーとかレディースランチとか、女性は得なことがあるなぁ、と思っていたぐらいです。
もちろん、セクハラや痴漢被害などに遭ったことがないわけではありません。全然知らない人に性的な言葉を唐突に言われたこともあるし、例えば「女は料理ぐらいできないと」と言われたこともあるし、自分もそう当然のように思っていたこともたくさんあります。
そんな私なので、ジェンダーにはほとほと疎く、なるかわと出会っていなければここまで考えることもなかったのかもしれません。
153か国中で121位の日本
2019年12月、世界経済フォーラムで『グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(世界男女格差指数)』が発表されました。
日本は153か国121位。 G7においては最下位という結果だったんです。
日本で、国会議員は男性がほとんどです。
日本で、電車やバス、タクシーの運転手は半分以上が男性です。
私はぬくぬくと、なーんにも考えずに「そういうもんだ」と思って生きてきたので、「結婚したら~専業主婦で~お姑さんに料理を習って旦那さんの好みに合わせて~」などと、のほほんと思っていました(笑)。
もちろんそれが悪いことではなく、それがいい!そうしたい!と思うのは素敵なことなんですよね。じゃあ何が良くないかっていうと「そういうもんだ」って思いながら何の疑問も持たずに生きてしまうことなんじゃないでしょうか。
女は子どもを産んだら仕事を辞めるとか、女は家事ができて当たり前とか、女は男に口答えするもんじゃないとか、そういうの「そういうもんだ」って思っている女性も男性も、まだまだ多い気がします。
私が新卒で務めた会社は、インターネットの業者でした。宅内工事についてお伝えしていたら、男性のお客様が「あんたじゃ話にならん。男の人にかわれ」と吐き捨てました。
その時は「ま、そういうもんだよね」って思ったんですが、もっと怒っていいシーンだったのだな、と、自分の感覚の麻痺さに今になって呆れています(苦笑)
きっと正解はないと思うけれど
これからどんどん日本は変化します。ジェンダーについて、考える機会も多く増えるはずです。フェミニズムとか、マスキュリズムとか、ミサンドリーとかミソジニーとか、カタカナが多くて混乱するし、発言ひとつひとつがものすごく慎重さを疑われるテーマですが、大切なテーマなのでわたしたちはもっと知見を深めようと思います。
そんな時代をビシビシとかんじられるクロースライン、ぜひ足を運んで、自分の目で読んできてください。淡い色の優しいカードの集合体に書かれていることを。
